【純米大吟醸「若戎」】
【純米大吟醸「若戎」】
今日は七夕ですね。
七夕の節句とは二十四節気の節月でなく、本来は旧暦7月7日の夜のことで 現在の「お盆」を指していると云われています。
お盆とは… 先祖代々の祖神を祀り、「家」の安泰と子孫繁栄を祈願する祀りでもありました。
今宵にふさわしく…「北斗七星」冠する「若戎」を御紹介します。
●「たわらや」から「えびすや」ヘ…●
蔵の創業は嘉永6年(1853年)。
黒船が浦賀に来航したこの年、7代目・義左衛門が藤堂藩より酒造りの印札を受け、酒造業を開始しました。
それまで蔵元の重藤家はお伊勢参りの初瀬街道沿いにあった現在の地で「たわらや」という旅館を営んでいました。
当時 筋向かいにある造り酒屋「蛭子屋」から「居抜きのままで商売を取り替えてはくれないか」と懇望され、これを受けて酒造りの第一歩を踏み出しました。
●「若戎」という酒銘●
「若戎」という酒銘は、一つには蛭子屋の経営者が変わり若いエビスになったこと…、
二つには、新年に若者が戎の面を被り福徳開運・商売繁盛・家内安全を祈り、若水の福茶を飲み酒を酌みかわす「初戎」という風習がこの地方にあったことに由来します。
そして何より、伊賀出身の松尾芭蕉が詠んだ「年はみな人にとらせていつも若戎」という句から名付けられたと云われています。
●三重県「山田錦」復活の立役者●
若戎12代目・久一氏は 地元伊賀で「山田錦」を育てようと農家に働きかけ、昭和61年(1986年)に20年ぶりに三重県での「山田錦」の栽培を復活させた立役者でもあります。
●神宮に由来する「山田錦」●
酒米として有名な「山田錦」は、三重県の「山田穂」を改良して作られた品種です。
「山田穂」は伊勢山田(度會)の「神宮齊田」で栽培されていた稲穂が起源とされています。
兵庫県美嚢郡吉川町の田中新三郎氏が伊勢詣の際、酒造家が好む稲穂(草丈が高く穂の大きい稲)を伊勢山田の地で発見しました。
一穂を持ち帰り栽培したところ、立派な御米が稔り 酒造家からも好評を博することができたので『豊受大御神』を祀る伊勢山田(度會)の地より「山田穂」と名付けられたものだと伝えられています。
全国から訪れる伊勢詣りの人々が御神酒があまりにも美味しいのに驚いて、度會の「山田穂」を持ち帰り全国へ広め 後に「山田錦」へと改良されました。
(※三重県伊勢市… 明治九年まで度会県 度会府)
●「北斗七星」を冠する純米大吟醸●
酒米の王様である「山田錦」を摩擦熱をかけないようじっくり三日三晩、時間をかけて50%まで丁寧に自社精米しています。
クリーンで透明感のある絹のような滑らかなのどこしと、優しい味わいが特徴の素晴らしい純米大吟醸です。
余談ですが、国内最高の酒造好適米「特A山田錦」は、「山田穂」を母親に1923年(大正12年)に兵庫県で人工交配された品種です。
また、酒造の「杜氏」とは神宮 度會の「刀自」が起源とされ 女性を顕します。
「杜氏」とは「刀自」の意で「岡崎宮妙見堂 大物忌」とも伝え、神宮を創祀された「倭姫命御陵墓」は「伊勢常明寺跡」にございます。
その妙見とは…「北斗七星」を顕し、すべて伊勢神宮に通じています。
ここ岡崎市といえば家康公生誕地ですが…
七ツ井戸伝承、東照宮の北斗七星も妙見信仰を顕しているとされます。
神宮は、古来より星と縁の深い「七夕伝説」発祥の地とも伝えます。
こちらの若戎は、由緒正しい三重「山田錦」で醸す純米大吟醸で 「北斗七星」を冠した最高峰の逸品。
どうか、この一本が 皆様の日々の心の糧となりますように…。
そして。彦星様と織姫様が出会えますように…。
産地…………..三重県(伊賀市)
蔵元…………..若戎酒造
使用米……….山田錦
アルコール..15度
精米歩合…..50%
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